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北方ルート 中国
【中国の仏塔】
 前漢の武帝が行った匈奴討伐を契機に西域へ進出した中国には、シルクロードを通じて中央アジアからさまざまな文化や情報が入ってきた。仏教もその一つで、伝えられたのは漢時代であると言われている。
仏教は三国時代を経て、六朝時代に広く発達普及し、仏塔もその教義の伝播に伴って各地で建てられた。
 ヒマラヤ山脈によって隔絶されているインドで誕生した仏塔は、インド北西部(ガンダーラ地方)、中央アジアという北方ルートを経ながら、オリジナルであるサーンチーの丸い覆鉢型から、方形基壇で垂直方向へ伸びたスタイルへと、その形を変化させてきた。シルクロードを介して入ってきたイスラムやヘレニズム文化などが影響を及ぼしていると考えられる。そしてそれらが、中国や中央アジアの楼閣思想にともない、楼閣建築と結びつき、独特の中国式仏塔が誕生したのである。
中国形式の仏塔がいつごろ出現したのか明確ではないが、後漢時代末に九重の銅槃からなる相輪を思わせる物を載せ、仏像を祀った浮屠(仏塔)が徐州に建てられた。ちなみに浮屠(浮図ともいう)とは仏陀の音写の一つで、塔は仏陀そのものであるとする考え方から、ストゥーパを意味する塔の類いを指す言葉になった。
 徐州に建てられた浮屠は、インドのストゥーパの頂部の平頭の中心に傘竿を立て、その上部に傘蓋を模した相輪部を載せた、中国の伝統的な木造楼閣の建築物であった。雲崗石窟の壁面に四角楼閣式で日本塔に似た格好の三重・五重・七重の塔が浮彫りされており、まさにこのスタイルが中国塔の初期の物ではないかと考えられているが、機能的には仏殿に相当するものであったと見られている。
その後、仏を供奉する仏殿と仏舎利を安置する塔に機能分離が行われた。一般的に仏塔は仏舎利を埋蔵する地宮(基壇)、中層にあたる塔身、最上部の塔刹(宝珠・円光などの刹頂と相輪、仏蓮などから構成される)の3部からなり、中国独自の仏教建築様式の仏塔が確立したと考えられる。
 中国における塔は、長い歴史と民族の多様性、地理的環境、材質の豊富さ、伝統的建築技術など、さまざまな要素が絡み合って、多彩に発展してきたため、仏塔の種類も形式、材質、民族的背景、教義の違いなどでいくつかに分類される。例えば教義からは舎利塔形式、金剛宝座式、ラマ教式などに分類されるが、形式では主に楼閣式、密檐形式、ラマ塔、金剛宝座式、花塔、亭閣式(一重塔)に分けられる。
中国仏塔の特徴は、相輪は短く、相対的に細長く上層平面の逓減が少ない塔が多く、平面形状が方形(四方形)、六角形、八角形、十二角形、円形があり、層も単層、3層から15層と奇数が一般的だ。また、仏塔の材質も、木だけでなく磚(焼結レンガ)・石などが主に使われていていることだが、最大の特徴は、それが楼閣式であれ密檐式であれ、中国塔の成立時の楼閣的機能を後世まで残していることであり、大半の塔が最上層まで人が上がることができることであり、なかには各層に仏像が祀られていることである。
●楼閣式  層塔とも呼ばれ、2層以上の軸部と軒・屋根を積み重ねた型式の塔をいう。仏教が伝来した漢時代に盛行していた、中国の古代建築様式である建築(土を高く築いた上に木造建築を建てた楼閣建築)が始まりとされる。中国に古代から伝わる神仙思想ーー不老長寿を尊び仙人になるために修行するーーと結びついたとされ、中国の仏塔の多くがこの型式で建てられた。この形式の塔として、北魏洛陽の永寧寺九重塔が知られている(現在推定復元計画中)。楼閣式塔で、中国で現存する初期の本格的な木造塔は、山西省応県に残る平面八角五重(初重裳階付・総高(67.3m)の仏宮寺釈迦塔(遼1056年)とされている。
● 密檐形式   初層の塔身が高く、上層部は軒が相接するように幾重にも重ねられた形式の塔。現在中国で現存する最古の仏塔遺構とされる嵩岳寺塔(北魏、520〜524年、河南省登封県)は、磚を積み上げ、一部に木造をもプラスした12角15層の蜜檐式塔である。基壇部分が著しく高く、伏鉢部分が退化し上部がすぼまった砲弾型のスタイルは、ガンダーラ地方に見られるストゥーパの系統を引いている。基壇部分が高くなったストゥーパのさらなる発展型式と見られ、密檐式の原形であると考えられている。
 唐の時代になると密檐式磚塔も多く造られるようになるのだが、形式だけでなく特徴は他にもある。例えば平面形状は方形(四方形)、六角形、八角形、十二角形、円形があり、層も単層、3層から15層と奇数が一般的だが、十重や十六重といった偶数の塔も少数だが見られる。また、相輪は短く、相対的に細長く上層平面の逓減が少ない塔が多いなどの特色も持つ。


●ラマ塔  チベット、ネパール様式の塔を総称したもので、方形または円形の基壇上に卵型もしくは円筒の覆鉢、方形の平頭、13重の相輪を持つ。一番上には傘蓋とガンジルと呼ばれる宝瓶を飾る例が多い。インド、ガンダーラの仏塔に似ている。北京の妙応寺(白塔寺)に建つ白塔は中国初のラマ塔とされる。
●金剛宝座式  インドの4大聖地のひとつ、ブッダガヤにある大塔の型式を中国的に変形させたもので、密教の金剛界五方仏を祀っている。高大な基壇に宝座と台頂上の5塔からなっていて、5塔は大日如来を供奉する中央の大塔とその周囲東西南北にある、それぞれ阿シュク、宝生、阿弥陀、不空成就を供奉する小塔で構成されている。明・清時代に盛行した型式で、北京にある西黄寺清浄化城塔等が代表とされ、真覚寺(五塔寺)にも遺構がある。
●花塔  華塔ともいう。楼閣式、密檐型式、ラマ塔、金剛宝座塔などに分類されない、装飾的なスタイルを持つ異形の仏塔を総称している。ラマ塔や金剛宝座塔などが定着する前に建てられた変形塔を指す場合が多い。
●亭閣式(一重塔)   重塔(単層塔)で、中国で長く建築材として使われてきた石材の塔である。彫刻を施して仏塔としての意義を持たせたが、規模も大きくなく修造しやすいため、広く墓塔に使われたという。




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